泣き虫4。
兄はそれから変わってしまった。
1日で違う生き物になった兄。なんだか底抜けに暗いし妙に明るい。
オレと妹はいつも泣いてた。
それは受ける暴力の肉体的な痛みもあったが兄がオレらを敵対視してることへの戸惑いも大きかった。
幼稚園からとぼとぼ帰ると父は普段からいないし母はガソスタのパート、ばぁも家政婦のパートでオレはよく寂しくて誰もいない無機質なおもちゃみたいな家が怖くてワンワン泣いていた。
オレの泣き声で近所のおばちゃんがどうしたの?とよくきてくれてた。
その時代はそんな感じだったんだろう。現代と違い送り迎えなどもなかったし。
兄が学校から帰ってきて家に誰も保護者的な人がいないと認識するやオレや妹を殴る殴る。
それは毎日長い間続いた。
それからオレと妹は奴隷となり兄が欲しいものを差し出す日々。詳細はここには書けないけど、奴隷だった
子供達だけの狭い狭い世界にそんなリアルがあった。母は見て見ぬということを徹底していた。兄は愛情不足だった。栄養失調と同じ。きっと1番ボロボロだったんだろ。母も。
あれから何十年経て考えるのは、殴られた痛みや精神的苦痛も糧になってる。人生の。学べたなと。
虐待してくれてありがとう。奴隷の気持ちがわかったし、暴力の弱さもわかった。
今兄は失踪して行方不明で長い間あっていない。妹とも残念ながら疎遠だ。
でも誰も悪くない。自分を好きになる努力を重ねて今はi love meがなんとかできてる。
兄とは多分二度と会うことはないだろう。縁があれば来世は仲良くしてね
でも今書きながら思った。
これはオレ目線で、兄も妹も母もばぁも父さえも違う思いや考えで日々過ごしていた。みな苦しかったかも。どんな目線だったんだろう。うーん、知りたい笑